無線LANのセキュリティ
無線LAN接続されているパソコンの 1 台が不正アクセスを受けたり、ウィルスに感染すると、すべてのパソコンに波及してしまう恐れがあります。特にファイル共有したドライブやフォルダーは外部からもアクセスされやすくなるので、ハードディスクをまるごと共有するといったことは絶対にやめましょう。
感染した場合は、LANケーブルを抜くなどの対策が必要です。無線LANの場合、SSIDやMACアドレスの設定、暗号化方式の設定など、セキュリティ対策が不可欠です。
無線LANの暗号規格
無線LAN機器及び無線LANを含むネットワークが持つセキュリティー機能には大きく「データの暗号化」と「アクセス制御」の2種類があり、それぞれ下記のような方式があります。
WEP(Wired Equivalent Privacy)
RC4と呼ばれる暗号化アルゴリズムを元にした共有鍵暗号方式で、IEEE802.11で採用。秘密鍵には40bitまたは128bitのデータを使用。
WPA(Wi-Fi Protected Access)
Wi-Fi Allianceが2002年に制定したセキュリティーシステムで、暗号化と認証の組み合わせ。暗号化プロトコルにはTKIPを使用。エンタープライズ(EAPを利用したID,パスワード認証を使用)、パーソナル(PSK ”Pre Shared Key, 事前共有鍵”による暗号化方式を使用)の2種類があります。
WPA2(Wi-Fi Protected Access2)
Wi-Fi Allianceが2004年に制定したセキュリティーシステム。AES暗号に対応し、WPAより堅牢なセキュリティー方式。WPAと同様にエンタープライズ及びパーソナルの2種類があります。
WPA3(Wi-Fi Protected Access3)
Wi-Fi Allianceが2018年に制定したセキュリティーシステム。WPA2には「KRACKs(キー再インストール攻撃)」と呼ばれる脆弱性があることが指摘されいました。WPA3ではこの対策が取られています。また不特定多数のユーザーが利用するためにパスワードを設定しない無線LAN環境で使用する場合でも、ユーザーごとの通信を暗号化する仕組みが追加されています。
無線LANの暗号化方式
TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)
TKIPは通信を行うたびに暗号キーを動的に変更するようにした暗号方式で、主にWPAで採用されています。
AES(Advanced Encryption Standard)
AESは主にWPA2やWPA3で採用されている暗号アルゴリズムです。暗号化と複合に同一の暗号キーを用いる共通鍵暗号と呼ばれる方式の代表とされています。
アクセス制御の方法
SSID(Service Set ID)
(ESSID (Extended SSID)と同義)無線LANにおけるアクセスポイントの識別子(32文字)、グループ名
ANY接続拒否機能
SSIDが空白または「any」が設定されているクライアントからの接続要求を拒否する機能
SSID隠蔽機能
ビーコン信号にSSIDを含めない機能
MACアドレスフィルタリング機能
送信元MACアドレスによる、アクセスポイントに対するクライアントのアクセスを制限する機能
IEEE 802.1x認証
アクセスポイントに接続してきたユーザーをRADIUSサーバーで認証し、アクセスの可否を判断します。プロトコルはEAP(Extensible Authentication Protocol) を使用します。IEEE 802.1x の認証方式には、MD5/PEAP/TTLS/TLS など複数あります。OS やクライアント、アクセスポイントによってはサポートしている認証方式が違う場合があるので使用の際には注意が必要です。
認証・検疫システム
ネットワークに設定したセキュリティーポリシーにより、クライアントの隔離/治療を行うシステム
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